くるり

時々、着物な和の暮らし

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2015/10/01
料理家・中村美穂さんの「ときどき、和のある暮らしの料理」

秋のおいしい栗仕事





どこからともなく、金木犀の香りが漂い、
秋が色濃くなりはじめた今日この頃。
10月の声を聞く頃になると、栗の季節の到来です。

我が家では秋の夜長、虫の音を聴きながら、
母と並んで、黙々と栗の鬼皮を剥き、
ことことと渋皮煮を作るのが歳時記となりつつあります。





ことしは栗をつかって、なにを作ろう。
栗の皮を剥きながら、そんなふうに思いめぐらせる時間もまた愉しく、さて、この秋はいったい何キロの栗の皮を剥くことになるのでしょう...。

モンブランにマロングラッセ、栗きんとんに栗まんじゅうなど、和にも洋にも、おいしいレパートリーがたくさんの栗ですが、ここでは、とても簡単に作れる和のスイーツ、“和栗の生どら焼き”をご紹介します。

フライパンやホットプレートで手軽に作れて、まるで市販品のように仕上がるので、ぜひこの秋は、おうちで手作りしてみてくださいね。




【材料】約10個分

・薄力粉・・・・・・・・・・・・200g
・きび砂糖・・・・・・・・・・・120g
・卵・・・・・・・・・・・・・・L玉3個
・はちみつ・・・・・・・・・・・大さじ1
・みりん・・・・・・・・・・・・大さじ1
・重曹・・・・・・・・・・・・・小さじ1(※)
・水・・・・・・・・・・・・・・70~80cc

・つぶあん(市販)・・・・・・・・約300g
・生クリーム・・・・・・・・・・200cc

※重曹は、水小さじ1で溶いておきます。

【作り方】

  • ボウルに卵を入れて軽く泡立てる。そこへ、きび砂糖を加えて、白っぽくなるまでしっかりと泡立てる。
    はちみつ、みりんを加えて混ぜ、水で溶いた重曹を加えて、さらに水70ccを混ぜ合わせる。
  • 1に薄力粉をふるいながら入れ、泡立て器で円を描くように全体を手早く混ぜ合わせる。
  • ラップをかけて30分ほど休ませる。
  • テフロン加工のフライパン、またはホットプレートを弱火であたためる。
    3の生地を小さめのレードルですくい、レードルを動かさないように、フライパンの表面1点に注ぎつづけて、直径7cmくらいの円にする。
    このとき生地が固いようなら、残りの水を少しずつ加えて調節してください。
  • 生地の表面に、ぷつぷつと穴があき、周りが乾いてきたらひっくり返す。
    裏側は20秒ほど焼き、少し焦げ目がついたら、皮の焼きあがり。
    焼けた皮は、裏側のちりちりとはみ出た薄い生地をキッチンばさみで丁寧にカットし、2枚1組にしてオーブンペーパーの上にのせ、表面の乾燥を防ぐために、上にもオーブンペーパーをかぶせておく。
  • 生クリームあずき餡を作る。ボウルに生クリームを入れ、六分立てに泡立て、粒あん200gを少しずつ加えて、泡立て器でかための餡にする。
  • 下の生地に6の餡をのせ、あれば栗の渋皮煮などをのせ、もう1枚の生地でふたをするようにかぶせ、できあがり。





ここでは、皮の表面に焼き印を押して、ちょっぴりおめかし。

じゅっ、という生地の焦げる音と、香ばしいかおりとともに、お気に入りの絵柄が刻印されると、愛着もひとしお。

そしてなんと言っても、よりいっそう本格的な雰囲気に仕上がるのも嬉しくて...。



ちなみに、こちらは愛用している焼き印の一部です。

今回のどら焼きに使ったネコの柄は、私のオリジナルのデザイン。ネコが丸くなってお昼寝したくなるような、寒い季節に活躍しています。ほかにも、夏に似合う千鳥や、お料理教室のロゴなど...。

合羽橋の道具街などに、さまざまな柄の焼き印が市販されていますので、
お散歩がてら、ながめるだけでも愉しめます。





どら焼きのあいだにはさむ餡は、アイディア次第でさまざまに楽しめます。

粒あんと生クリームという組み合わせのほかにも、マロンペーストと渋皮煮...という組み合わせも、この季節らしく贅沢です。

マロンペーストは手作りするのが最高ですが、市販品を上手に活用してもよいですね。オリジナルのどら焼きをお楽しみくださいね。



可愛く仕上げたどら焼きは、大切な人にもお裾分け。

ひとつずつセロファンの袋に入れて、和紙で帯をかけてお行儀よく、箱にならべて入れたら...、素敵なおもたせのできあがり。

秋は、こんな手作りのプレゼントなんていかがでしょう。おいしい栗が手に入ったら、ぜひ作ってみてくださいね。



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中村美穂
イラストレーター / 料理家

広告や雑誌を中心にイラストレーターとして、また、自宅で料理教室を開催し料理家としても活躍。
著書に『誰か来る日のための素敵な盛りつけはセンスよりコツ』 (講談社)。
趣味はカメラ。愛犬と一緒に、季節を感じる散歩をするのが好き。
『週末、ことこと。』
http://mihodays.exblog.jp/