帯揚げ【墨流し】が完成するまでの物語

2019S/Sコレクションでは、たいへんご好評を頂きました帯揚げ【墨流し】、秋冬シーズン新色を発売します。日本最古の染色技法のひとつとされる「墨流し染め」は、熟練の職人さんの緻密な手作業によって生み出されます。そんな墨流し染めが完成するまでの作業場の様子をレポートします。

墨流し染めは「瞬間の染め」と言われます。水面の動きを一瞬で絹地に写し取る染色法なので、二つと同じものができません。一瞬のちょっとした手の動きが、そのまま模様になってしまうことから、ある意味で失敗が許されない染めでもあり、準備を万端に整えてから臨みます。まずはくるりが発注した図案に合わせて櫛の間隔を調整し刷毛を用意するところから仕事が始まります。

いよいよ染めの作業がスタートします。大きな水槽に糊状のとろみをつけた液を張って満たします。

水面上に顔料の色を浮かせ、くし型の刷毛を使って、表面張力を利用しながら、波紋を広げるように模様を描いていきます。

水の動きと模様の広がりをコントロールしながら、職人さんの熟練の技で、水面に幻想的で美しい模様を描き出しました。

この水面いっぱいに広がった模様を、あたかも帯揚げ地に瞬間的に記憶させるように転写するという、秒単位の手作業で染めていきます。

染めの工程を終了した生地は、すぐに引き上げて風通しの良い作業場の天井付近に広げて、自然に乾燥させます。帯揚げ【墨流し】は、こうした繊細な染色作業工程を経て、生み出されます。

最新作の【墨流し】にはシボの小さな縮緬を採用しました。縮緬は、9月から6月までの初秋から初夏にかけて、ほぼ通年で使うことができます。

帯揚げ【墨流し】は、白の地に濃色から淡色への三色グラデーションで染めました。白場を中心にして、濃淡を左右で染め分けてあるので、結び方によって出す色合いを変える事ができます。濃淡どちらか一色だけ出す事もできますし、三色を組み合わせて出す事もできます。

着物、帯の色合いに合わせて、お好みで色合いの出方を選ぶことができます。

帯揚げ【墨流し】を結べば、見慣れてしまっていたコーディネートの印象が、見違えるほどに変わります。帯周りのポイントにひと捻り効かせたい時にお勧めの一枚です。

茄子紺(なすこん)
香(こう)

杜若(かきつばた)

芥子(からし)

2019年8月23日発売開始です。早期完売が予想される商品です。お早めのご購入をお勧めいたします。※店舗では8月10日より先行発売開始いたしております。お急ぎの方はぜひご来店ください。

価格:¥11,000(消費税込:¥11,880)