表参道の賑やかな喧騒から離れ、閑静な住宅街に一歩足を踏み入れると、突然、ひときわ目を引く斬新な建物が現れる。
高くそびえ立つ壁面、そして外観を覆うように広がる大きな窓。
あまりのインパクトの強さに、通り掛かる人たちの多くが思わず足を止めてしまう。
こちらは昨年オープンしたばかりの、ドーナツ専門店【 HIGUMA Doughnuts(ヒグマドーナッツ)】さんと、コーヒー専門店【 Coffee Wrights(コーヒーライツ)】さんがコラボする特別なカフェ。
開店前の準備でお忙しい中でしたが、お店の中にお邪魔させていただくことができました。
入口では、ドーナツをくわえた可愛らしいヒグマのプレートがお出迎えしてくれます。
店内は、とても天井が高く、大きな窓が、解放的なリラックス感をもたらしてくれます。
内装は木の質感を生かしたシンプルナチュラルテイスト。
窓から見える敷地内の木々に、包み込まれるようで、まるでこの場所だけ時間がゆっくり流れているように感じられます。
程よい高さに設置されたベンチ席に腰を下ろすと、縁側に腰掛けて日向ぼっこっしているような、優しい気持ちになります。
この高さなら、着物で訪れてもシワになることを気にせず座れますね。
優しい色味のデニム着物【オーガニックミルクティ】に、植物が伸びやかに描かれた上品な瑠璃色の江戸紅型染め半幅帯を組み合わせた今日のコーディネートは、店内のモダンでナチュラルな雰囲気にしっくりと馴染みます。
カフェ巡りやショッピングなど、大好きな街歩きを、気負わず楽しめるのことが、カジュアル着物の嬉しいところです。
7種類のドーナツはすべて、店内の大きな鉄釜で揚げられているので、いつでも揚げたてのフワッフワを頂くことが出来ます。
暑い夏の時期はソフトクリームやかき氷も人気だそうです。
ハニーマスカルポーネをオーダーしてみました。
北海道の素材にこだわって、揚げたての温かいドーナツにマスカルポーネチーズと蜂蜜をミックスしてデイップした、このお店で一番人気のメニューです。
ヒグマのイラストが描かれた紙包みの愛らしさに、思わず笑みがこぼれます。
甘さは控えめで、北海道産小麦の豊かな風味が口の中いっぱいに広がります。フワッとしてモチモチした食感が、美味しさをさらに引き立てます。
コクのあるラテに良く合います。
食事の後、敷地の中にある緑豊かな庭を見せていただきました。
実は、こちらの施設は、4つのSOHO(住居兼オフィス)、庭、ギャラリー、共有スペース、キッチンで構成されたミナガワビレッジと言う複合施設だったのです。
現在、この施設に入居し、運営を行っている再生建築研究所が、築60年ほどの民家に耐震改修を施して再生させたのがミナガワビレッジです。
もともと、この場所にあった築山を、原型を極力変えることなく、現代的な庭に蘇らせたのだそうです。
緑のアーケードを抜けると、四季折々の風景が楽しめる庭が広がっています。
まさに都会の中のオアシスといった言葉がピッタリの場所です。
「変わり続ける場所」をコンセプトに、時代と共に変化し、更新されていくミナガワビレッジ。
2020年には2度目の東京オリンピックを迎えるこの場所が、どのように変化していくのか、これからが楽しみです。
ミナガワビレッジ
4つのSOHO(住居兼オフィス)
共用部(庭、共有スペース、ギャラリー、キッチン)
カフェからなる複合施設
共用部は、会議、パーティー、セミナーなどレンタルスペースとして利用可能。
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-9-13
http://minagawa-v.com/
コーディネート
着物:オーガニックミルクティ
半幅帯:江戸紅型 (9月発売予定)
帯締め:れん 二分紐 憲法茶
帯留:れん スクエア
バック:ikot ラタンクラッチ
かんざし:koron 水玉