東京・丸の内
アート鑑賞やショッピングを楽しむ人々、ビジネスパーソンが集うエリアに煉瓦造りの趣溢れる建物がある。
ミュージアムカフェ・バー「Café 1894」
1894(明治27)年に建設され銀行営業室として利用されていた空間が、2009年に復元されカフェとして生まれ変わった。
入り口の階段を上り重厚な扉を開いた先には、英国式のクラシックな空間が広がっていた。吹き抜けの開放感あるフロア、大きな窓から自然光が贅沢に差し込む。
(左)外壁の煉瓦は明治時代の質感や色を再現するため、当時に近い製造方法を採用した。(右上)当時の照明はガス灯。ガスを調整するコックまで再現されている。(右下)柱の彫刻なども以前の建物の保存部材を参考に忠実に再現。
様々な様式が西洋化していった明治時代。
男性は髷を断ち短髪になり、洋服や着物に合わせて山高帽などの帽子が流行した。女性の着物には欧風テイストの模様が取り入られ、色柄が華やかになった。袴にブーツ、リボンにレースなど、和洋折中のお洒落を人々は楽しんだ。
この空間に佇むと、様々なスタイルに着飾った人々が、丸の内を行き交う姿が思い浮かぶ。
(左上)店内の本棚には、西洋美術や建築関係の書籍が並ぶ。(右下)入り口に入ってすぐのカウンターにある小窓が、銀行営業室の名残を思わせる。
▲ メープルシロップの塩バタークレープ 自家製プリンを添えて
明治の人々に思いを馳せた後は、カフェメニューを堪能。
自家製のデザートが楽しめる。
お店のロゴの入ったクレープは、塩気と甘みが絶妙なバランス。爽やかですっきりした味わいのスパークリングは、スイーツとの相性が抜群。
良く晴れた日の午後、くつろぎの時間に楽しむ少しのアルコールは格別。
特別な空間と特別な時間。誰かのためにお洒落をするのではなく、自分のために自分を着飾る。
とっておきのコーディネートで、上質で穏やかなひと時を過ごしてみると、そこには普段の生活とは異なる景色が広がる。
これぞ大人の楽しみだ。
Café 1894
1894(明治27)年に建設された「三菱一号館」を可能な限り忠実に復元し、2010年に美術館として生まれ変わった「三菱一号館美術館」併設のミュージアムカフェ・バー。細部までこだわり復元された空間は、時代の流れを感じながら上質な時間が楽しめる。
〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-6-2
公式HP
http://mimt.jp/cafe1894/