くるり着物お悩み相談室【第4回】長襦袢の選び方について
【第4回】長襦袢の選び方
皆さまから寄せられた着物に関するお悩みに、着付けの先生がアドバイスする「くるりの着物相談室」
第4回目のお悩みは「長襦袢の選び方」です。
今回のお悩みは..
一目惚れをして購入したリユース着物
これに合わせて長襦袢を選ぶには?
今回のお悩み
お悩みの方:スイさん/30代(着物歴は半年未満)
着物を習ったばかりです。
先日、一目惚れをしてリユース着物を購入しました。
これに合わせて長襦袢を購入したいと思います。
どのように長襦袢を選べばよいでしょうか?
こんにちは、着付け講師の早見です。
お悩みをお寄せいただきありがとうございます。
一目惚れをして着物を購入なさったとのこと、素敵な出会いですね。
それはぜひ着てお出かけをしたいことと思います。
とはいえ着物を着るためには長襦袢が必要です。ではそれはどう選んだら良いかを考えてみたいと思います。
まずは着物の寸法を知ろう
長襦袢は着物と寸法(サイズ)を合わせることで、綺麗に着ることができます。
そのためには着物の寸法を知っておく必要がありますから、まずは購入された着物の寸法を測ってみてくださいね。
とりあえず必要な寸法は、
1.身幅(後ろの背縫いから脇まで横に測った長さ)
2.裄丈(同様に背縫いから袖先まで測った長さ)
3.袖幅(袖付けから袖先まで測った長さ)
4.袖丈(袖の上下の長さ)
5.抱き幅、長襦袢の衿でご自身のバストを覆える寸法が必要です。トップバストのサイズを測ってください。
6.長襦袢の身丈、ご自身の首の後ろの骨より少し下の位置(衣紋を抜いた状態の背縫いの始まりの位置)から真下に足首が隠れるほどの位置までを測ってください。
これが長襦袢の身丈(長さ)になります。
その寸法を参考にして長襦袢を用意します。
では、どのようなものを購入したら良いかというご説明をしましょう。
(1)反物を購入して仕立てる長襦袢の場合
これは最上の方法です。
費用も時間もかかりますが、ご本人の寸法を測ってもらってで仕立てるためぴったりのものが用意できます。
正絹はメンテナンスはやや気を遣いますが、その贅沢な着心地はやはり素敵です。
また、自宅で洗えるポリエステルの反物もかなり充実していますから、そちらで仕立てても便利でよいかと思います。
(2)プレタ(仕立て上がり)長襦袢の場合
仕立て上がった状態で購入できるので、すぐに着用することができます。
上記で測った寸法により近いものを選べば大丈夫ですが、可能なら試着をおすすめします。
質の良いポリエステルの自宅で洗えるものは、汗なども気にせず着用できるのでとても気軽で便利ですよ。
(3)プレタ(仕立て上がり)二部式襦袢の場合
二部式襦袢は、すぐに着用できますし、上下で別れているので身丈の調整が可能ですし、身動きしやすいのも嬉しいポイントです。
また身頃部分は晒しで出来ているので、和装スリップなどの下着を着なくても着用可能なのでとても気軽で楽ですよ。
身頃の脇のスリットを広げてあげることで抱き幅を充分にとることも可能です。こちらも自宅で洗うことができるのでお手入れの心配もありません!
(4)衿付きの半襦袢という選択肢も
身頃が晒し布の半襦袢に半衿がついていて、袖は筒袖なので着物の袖丈を気にせず着用できます。
お手持ちの裾除けに合わせれば長襦袢の代わりになりますし、お洗濯も簡単です。
袖先にレースがあしらわれたものならちらりと見えても素敵ですよ。
どれも購入の際には、測った着物の寸法を参考にしてくださいね。
(1)(2)のものは、淡い上品な色柄を選べばフォーマルの着物にも似合います。
第一礼装なら、白地のものを選んでくださいね。もちろんポリエステルでも問題ありません。
(3)(4)はどちらかというとカジュアルな着物に合わせてください。
楽しい色柄を選んでお洒落を楽しんでくださいね。
さあ、ご自身で最も選びやすいものを用意して、どうぞ一目惚れの着物を楽しんで頂ければ幸いです。
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早見 由美子先生
プロフィール
着付け師・着付け講師
子供の頃から着物に親しみ、着付けを学ぶ。
現在は表参道のレッスンスタジオWanocotoで着付け講師を担当。
また着付師としてブライダル着物の着付けを行っている。
着物の沼に嵌って長い筋金入りの着物好きです。
皆さまに着物の楽しさ、素敵さをお伝えできれば幸せです。
着物のことならどんなご相談も嬉しく、どうぞおまちしております!!
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【第1回】着物のアウターや防寒対策について | 【第2回】胸元にできるシワやたるみの解決方法について |
【第3回】ファースト着物の選び方について | 【第4回】長襦袢の選び方について |